もしも保険会社が破綻したら個人年金はどうなる!?
公的年金が本当にもらえるのか、最近のニュースを見ていると不安になってきますね。
公的な制度ですらそんな状態なのに、民間の保険会社の個人年金は大丈夫なのでしょうか? 過去には、破綻してしまった保険会社も存在します。ですが、それを事前に予測するのは難しいことです。
保険会社の健全性をあらわすものとして「ソルベンシー・マージン比率」という言葉をよく聞くと思います。「ソルベンシー・マージン比率」は、責任準備金、つまり保険会社の保険金支払い余力をあらわすものですが、過去に破綻した保険会社も、その時点で、「ソルベンシー・マージン比率」は問題ないと言われる水準でした。
もしも、自分が個人年金保険などに加入している保険会社が破綻してしまったら、どうなってしまうのでしょうか。
すべての保険会社は、保険契約者保護機構というものに加盟しています。破綻の際は、この機構によって、破綻した会社と加入者のあいだの保険契約を別の保険会社に引き継いでもらう措置が行われます。この、引き継いでくれる保険会社を救済保険会社と呼びます。もし救済保険会社が見つからなかった場合も、保護機構が新たに会社を設立して引き継がせます。この会社は継承保険会社と呼ばれます。
ですので、保険契約そのものがまったくなくなってしまうことはありません。株のように紙切れになったりはしないわけです。
ただし、救済保険会社ないし継承保険会社に引き継がれた契約は、もとの契約と内容が変更されてしまうことがあります。保険金額が減額されたり、利率が引き下げられたりするのです。
その結果、個人年金保険などで言えば、返戻率が下がってしまって、当初予定したような年金が受け取れなくなることはありうるでしょう。残念ですが、こればかりは、もとの保険会社が破綻した以上、しかたのないことです。
払い込んだ保険料がまったく無駄になってしまったり、保障内容が完全になくなってしまうことはないが、万が一の場合には、元本割れをしてしまうリスクもあるという事は知っておく必要があると思います。