個人年金の選び方~気をつけたい3つのポイントと「返戻率」~

いろいろな保険会社が、それぞれの個人年金を用意しています。この中から自分に合ったものをどうやって選べばいいでしょうか。選び方のポイントを整理しました。

年金の受け取り方を確認

年金の受け取り方は3種類あります。

・終身年金
・確定年金
・有期年金

終身年金は、公的年金と同じで、生きている限り受け取れる形式。 確定年金は決められた期間は本人が亡くなっていたとしても確実に受け取れます(もちろん、本人が亡くなっている場合は遺族が受け取ります)。有期年金は、決められた期間、本人が生きている場合に限り受け取れるというものです。

また、年金形式ではなくて、全額を一度に受け取る一時金形式の場合もあります。年金にするか一時金にするかは同じ商品でも受け取り時に選べたりします。

ここでのポイントは、「終身にするかどうか」です。終身年金はずっともらえるのだからそのほうが嬉しいように思ってしまいますが、そのぶん保険料は高くなります。それに、終身年金は、結局、総額としてはいくら受け取れるのかわかりません(何歳まで生きるかわからないのですから)。返戻率が十分にお得な水準まで受け取るには、20年以上受け取らなくてはいけない場合も多く、結局はそんなにお得ではないのです。

変額年金や外貨建てと区別する

個人年金保険は、決まった保険料を決まった期間支払い、その結果、決まった額の年金を受け取る、という商品です。商品によっては、「配当」がついて、運用成績に応じて額が上乗せされることはありますが、基本的にはもらえる額は最初からわかっています。なので、返戻率を計算することができ、お得かどうか判断できます。

対して、もらえる年金額が変動するタイプのものがあります。これは変額年金と言って、違う商品です。変額年金は、状況次第で、大きなリターンが得られる可能性がある一方、見込んだだけの年金がもらえない場合もあり、個人年金保険よりはリスクがあると言えます。まぎらわしいのですが、変額年金と間違えないようにして下さい。

また、最近は外貨建ての商品もよくあります。金利の高い外貨で運用するのでお得だと言われているのですが……そこは投資ですので確実なことは言えないという点と、外貨を扱うときの手数料がかかり、これが引かれてしまうので、結局はそんなにリターンがないという可能性があります。

老後資金の計画を立てて、それに組み込むためなら、確実性を考えて、外貨建てではない、個人年金が良いと思います。

保障や特約に惑わされない

個人年金も保険の一種ですから、医療保障や介護保障などの特約をつけて保障機能を充実させることができます。

ですが、特約をつけると、そのぶん保険料が上がりますから、返戻率は下がることになります。また、個人年金保険を万が一解約する場合に、一緒に医療保障などもなくなってしまうことなども考えると、医療保障は、医療保険、がん保障は、がん保険という形で別々に加入する方をおすすめします。

個人年金はあくまでお金を貯める貯蓄に特化したものが良いでしょう。

返戻率を計算してみよう

以上を踏まえて、最終的には、「返戻率」が大きな決め手になります。やはり、個人年金はどれくらいお得に老後資金を準備できるかがいちばん大切ですから。

返戻率の計算方法を確認しておきましょう。

もらえる年金の総額÷支払った保険料の総額×100=返戻率

です。
次のページ「おすすめの個人年金ランキング」では、返戻率が120%を超える高返戻率の個人年金保険を紹介していますので、参考にしてください。

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