最近よく聞く「確定拠出年金」とは~自分で資産運用する個人年金~

確定拠出年金とか401Kとかいう言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。勤め先で採用しているところもあるでしょうから、それなりに多くの人が利用しているはずなのでしょうが、今いちなじみが薄いようですね。

これも、自分でつくる私的年金の一種です。国民年基金と同じように、公的年金とは違いますが、国の法律で運営されている制度です。

毎月、自分で決めた額を積み立て、好きな形で(一定の運用先の中から選ぶことで)資産運用をして、将来の年金にしましょうというものです。企業型と個人型があり、企業型は、勤務先の企業が利用している場合、自動的に加入しているはずです。勤務先に制度がない場合や、自営業の人などは個人型に申し込めば入ることができます。

どちらの場合も、毎月の積立額と、運用方法を自分で選べ、途中で変更することもできます。

毎月3万円を積み立てて、「定期預金に1万円、○○投資信託に1万円、××投資信託に1万円」とか指定すれば、そのように運用されます。結果、運用が成功して増えることもあれば、失敗して減ってしまうこともありますが、すべて自己責任で、元本割れしてしまっても補償などはされません。

60歳になったとき、その時点までの運用成果を含めた積立金を、以後、5年~20年の有期年金として受け取ることができます。額がいくらになるかは運用成績次第です。

確定拠出年金のメリット・デメリット

それって自分で株や投資信託を買って運用するのとどう違うの?という気もしますね。

確定拠出年金のメリットは、「掛け金が全額、控除になること」です。

個人年金の保険料控除は一定の上限があって、普通に支払っていれば、ほとんど上限に達してしまっていました。対して、確定拠出年金は、全額が、個人年金保険とは別枠で控除されるので、節税効果が高いのです。つまり、自分で投資するよりも、税金のぶんだけトクします

ではデメリットはないのでしょうか。

運用成績次第で元本割れしてしまうのは他の投資も同じだとして、違うのは、支払った掛け金を絶対に解約できないということです。株や投資信託、個人年金保険は、いつでも売却したり解約したりできます。その結果、損をしてしまったとしても、少なくとも支払ったお金の一部は戻ってきますね。確定拠出年金はそれができません。お金が増えようが減ろうが、どちらの場合でも、60歳以降、年金の形で受け取る以外には返してもらえないのです。

ただ、この点はデメリットでもあり、同時にメリットでもあると考えられます。

どうしても解約できないのですから、預金のようについ引き出してしまうということが防げるからです。お金を貯めようと思って定期預金に預けたけど、大きな買い物がしたくて解約してしまったという経験がある人もいるでしょう。そんなことをしていてはいつまでたっても貯まらないですよね。確定拠出年金は、強制的に年金を貯めさせる制度だと言えるでしょう。

確定拠出年金をはじめるには?

勤務先が確定拠出年金を採用している人は、すでに説明を受けていると思いますので、個人型にこれから加入したい人向けに説明します。

個人が確定拠出年金を利用するには、管理をしてくれる金融機関(銀行か証券会社)を管理会社として選んで申し込みます。どこでもいいと言うわけではなくて、個人型の確定拠出年金を扱っているところでなくてはなりません。

どの管理会社を選ぶかによって、「運用先として選べる商品」と「管理手数料」が異なります。

選べる商品は、多いほうが選択の幅は広がりますが、どの管理会社でも一通りのタイプのものは揃っています。タイプというのは、「定期預金」などの元本保証型のもの、国内株式に投資するもの、海外株式に投資するもの、などの、金融商品としてのバリエーションということです。分散投資が可能になっているわけです。ここはあまり気にしなくてもいいかなと思います。

注意したいのは管理手数料で、これが管理会社によって幅があるので、なるべく安いところを選んだほうがトクです。 おすすめはSBI証券とスルガ銀行です。この2社は、条件によって手数料が無料になります。

管理会社を決めたら、あとは書類提出など、手続きをすれば、掛け金は毎月、口座から引き落とされます。いちど支払ったお金は引き出せませんが、毎月の金額を変更することは可能です。また、管理会社の変更もできます。

結論:確定拠出年金はアリかナシか?

節税効果を考えると、自分で株や投資信託を買って投資をするくらいなら、そのぶんを確定拠出年金にしたほうが良いのではないかと思います。ただし、お金は引き出せなくなってしまうので、あまり突っ込みすぎてお金に困るということのないようにはしたいですね。投資性のある資産運用は怖いという人も多いと思いますが、確定拠出年金でも、元本保証型の商品はありますので、ローリスク・ローリターンでいくことは可能です。

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